外構は住まい全体のイメージを大きく左右します。しかしいざ新築を建てるとなった場合、どうしても家自体に意識がいってしまい、外構は後回しになってしまうということが良くあります。または予算的な問題で、先にフェンスや門扉を設置しておいて、あとは住んでから徐々に増やしていこうというケースも多くみられます。
しかし過ごしやすく快適な住まいを具現化するには、家を建てることだけでなく、敷地全体をどうデザインするかを頭に入れて設計していくことが重要です。そうしたことを考えずに設計することで、置きたかった物置が置けなかったり、車を入れるスペースが十分に確保できなかったり、外から丸見えな家になってしまったりと、不備な点が後々出てきてしまいます。
家の間取りと同時に外回りの間取りを検討することで、十分な動線が確保でき、デザイン的にも優れた住まいとなって、心地よい暮らしが実現できるでしょう。
家の敷地全体のことを考慮して、家と同様にプランニングすることが大切ですが、外回りスペースにおける考え方として、室内の間取りと同じく配置計画(ゾーニング)から検討しましょう。玄関や庭、住宅の裏側スペースなど、どこにどのくらいの広さを確保すべきかを、大まかにイメージしてみましょう。
例えば家の顔ともなる門扉から玄関までのスペースは、道路からの見え方なども視野に入れ、確保すべき広さなどにも充分な余裕を持って検討することが大切です。その際カーポート用のスペースも同時に考えておきたいポイントです。
また一戸建ての住まいであれば、庭空間にゆったりとしたくつろぎのスペースを確保しておきたいものです。家の中心となる部屋であるリビングなどに面したスペースに設けることが多いですが、ウッドデッキやテラスなどを希望する時は、設計業者に早い段階で伝えておいた方が良いでしょう。
忘れないようにしたいのが、台所やユーティリティの近くにプライベートな裏方スペースを確保する点です。洗濯物を干すスペースや室外機を置くスペース、物置などを置くスペースなど、ゆとりを持った配置計画が大切です。
配置計画と合わせて動線も視野に入れて考えましょう。入口から玄関へ向かう時、庭から裏口まで行く時、カーポートから物置まで歩く時など、日々生活をする中でどのような動きをするのかを、考えながら設計を考えることが大切です。もちろん家の間取りとの関係も重要となります。駐車場から家に入る際、必要以上に庭を歩く事がないか、洗濯機から物干し場所への行き来はしやすいかなど、使い勝手の良い家かを検討しましょう。自分の敷地の広さや形状を把握することはもちろん、道路や隣の家との関係、風向きや日当たりなども考慮しておくこともポイントとなります。